富士特殊紙業株式会社

2012年1月1日

人と環境にやさしい水性グラビア印刷

愛知ブランド

http://www.aichi-brand.jp/

連絡先

富士特殊紙業株式会社 http://www.fujitoku.net/
瀬戸市暁町3-143 0561-86-8511

受賞のポイント

技術的に困難とされていた水性グラビア印刷の開発を業界に先駆けて成功し、食品のパッケージの印刷に用いられる有機溶剤の使用量を大幅に削減することにより、環境負荷低減、労働環境改善を含め社会への貢献が高く評価された。

概要

食品包材のフィルムにグラビア印刷を施す際に使用する油性インキには、インキの粘度を下げるため、トルエン等の有機溶剤が大量に使われることで、大気汚染の問題があり、また工場内の作業環境は現場で働く従業員の負担になっている。また有機溶剤の回収装置を設置しても回収には大量のエネルギーが必要であり、回収した有機溶剤は燃焼処理され、その際に大量のCO2を発生させている。そこでこれらを改善するために、有機溶剤を使用しない「水性グラビア印刷」技術を開発し、環境負荷の低減や労働環境の大幅な改善を実現した。現在水性グラビア印刷は、お客様の企業価値を上げるものとして積極的に採用されている。

概略比較水性グラビア印刷の実施例

先駆性・独創性

印刷の水性化による副産物

従来の親油性から、親水性の水性グラビア印刷システムに変更するためには、①専用設備が必要、②印刷・乾燥に時間がかかる、③従来方式並みの印刷品質と生産性が確保できない、などの技術課題があった。

当社はこれらの技術課題を、①版の浅版化や高密度ドット化、②インキの高固形分化、③印刷機の改良、④フィルムの改質等を総合的に行うことにより解決し、既存設備を改良するだけで印刷品質や生産性を確保しながらグラビア印刷ラインを水性化するシステムの開発に成功した。また水性グラビア印刷にするために考案した技術により、カラー再現性の向上や、インキの塗布量40%削減、プロセスカラーによる表現可能な色相範囲が拡大するなどの効果も得られた。

環境負荷低減効果

同図案印刷物におけるインキ及び有機溶剤(VOC)使用量の比較 残留溶剤量

水性グラビア印刷は、油性印刷と比較して85%もの有機溶剤が削減できる。その結果、環境負荷低減、化学物質安全性向上、環境関連法規制への対応、顧客満足向上等の効果の源泉となり、絶大な効果を得ることができる。


各種印刷方式のLCAによる環境負荷の比較(インキ製造から印刷工程まで)

1)揮発性有機化合物(VOC)の使用量を85% 削減

2)包装材の残留溶剤量を 80% 削減

3)地球温暖化ガスの排出量を 30% 削減

4)光化学オキシダントを 90% 削減

5)資源消費量を 15% 削減

6)エネルギー消費量を 40% 削減

7)作業中のVOCの蒸発気散が非常に少なく職場環境、地域環境を大幅に改善