豊田化学工業株式会社

2016年6月28日

サーマルリサイクルしていた使用済み有機溶剤(高不要物、高粘着)のマテリアルリサイクル化による業態変革

連絡先

豊田化学工業株式会社 http://www.t-k.co.jp/
豊田市明和町6-1 0565-28-2651

受賞のポイント

自動車製造工程で排出される再生処理が困難である塗料廃液を分別する品質管理システムを構築し、独自の技術である蒸留法により再資源化を実現したことは、資源循環型社会の形成に大きく貢献するものと高く評価された。

概要

廃液の発生状況

塗装工程で使用した使用済み有機溶剤(以下、塗料廃液)は、樹脂・塗料・水分・再資源化時に不要な第一石油類(引火点21℃未満の有機溶剤)の混入により再資源化が困難であるため、発生した塗料廃液は、サーマルリサイクルによる処理を行っていた。
当社は、独自の仕組みづくり及び蒸留・分離システムにより、国内で初めて塗料廃液のマテリアルリサイクルを実用化する技術を開発した。マテリアルリサイクルを行うことにより、資源の有効活用、資源の枯渇防止及び廃棄物の減容化に貢献している。

先駆性・独創性

蒸留再生設備図

有機溶剤をマテリアルリサイクルする場合、蒸留法を用いる。蒸留法とは、加熱気化した有機溶剤を再度冷却液化して目的の有機溶剤を選択的に得る方法であるが、塗料廃液を通常の蒸留再生装置にて蒸留した場合、塗料や樹脂が設備に固着して熱伝導率が低下するため気体になりにくくマテリアルリサイクルが困難であった。
こうした中で、当社は国内で初めて独自のリサイクル方法及び仕組みづくりを構築して塗料廃液の再資源化を可能とした。

リサイクル方法

  • 当社独自の蒸留方法として熱伝熱部に塗料廃液を連続的に散布して、瞬時に蒸発させることで通常より低温度で蒸留する方法を確立した。高温で蒸留すると塗料・樹脂が設備内で固着してしまい熱伝導率が低下してしまうが、当社では高い熱伝導率を保持した蒸留再生を行うことで実用化レベルにした。
  • 蒸留再生時に製品に不要な水やアルコール類を含有した副生成物が発生する。副生成物に過剰に水を供給することにより、水とアルコール類を強制的に水側に移行させ副生成物をマテリアルリサイクルすることが可能となる。

仕組みづくり

  • 産業廃棄物業者が処理(サーマルリサイクル)していた塗料廃液を、顧客先で分別することによりマテリアルリサイクル原料として購入することが可能となり、処理から再生へ業態変革した。
  • 分別した塗料廃液ごとで最適な再生処理方法及び、条件を確立させ高品質と高再生率を実現した。

環境負荷低減効果

塗料廃液の再資源化への歩み

過去5年間で平均15, 929t/年の塗料廃液を回収し、再資源化・廃棄物の減容化を行った。
内訳として、
  • マテリアルリサイクル:平均10, 354t/年
    (CO2換算削減量:平均23, 205t/年(tCO2/GJ:ナフサとして=10,354t×33.6 GJ/t×0.0667 tCO2/GJ≒23,205t))
  • サーマルリサイクル:平均5, 575t/年
    (更に新しい水分除去方法の稼働により、220t/年のマテリアルリサイクルが可能となる。)