矢留工業株式会社

2016年6月28日

空調ダクトを軽量化して、省資源・省エネルギー・省人に貢献する「ラインエコ」の開発と普及

連絡先

矢留工業株式会社 http://www.yatome.co.jp/
春日井市牛山町神明土2797番地の1 0568-31-8152

受賞のポイント

建築物の空調ダクトの製造において、薄板の鋼板に独自の加工技術により補強を施すことで剛性を保持しながら軽量化を実現するとともに業界への普及を進めたことは、省資源と省エネルギーに大きく貢献するものと評価された。

概要

ラインエコ
ラインエコ

本製品「ラインエコ」は、空調ダクトを従来より軽量にし、かつ剛性を保持させている。亜鉛めっき鋼板の板厚を薄くし、特許技術による75mm間隔の凸凹リブを交互に入れて板に補強を施し、従来の国土交通省仕様の基準となるダクトの安全強度と性能の確認試験により仕様の基準値を満たすことが確認された。
この成型のための専用機としてラインエコ成型機も独自特許による自社開発・製造を行い、空調ダクトの同業者にも普及を進めている。その販売価格も抑えてあることで拡販が続いている。

先駆性・独創性

ラインエコ成型機
ラインエコ成型機

2005年の日本国際博覧会「愛・地球博」で省資源、省エネルギー、リサイクルが謳われ、また、同時期の春には鉄板の価格が急上昇したことがあって、対応策としての薄板化の検討に入った。薄板化の改良を進めていき、曲げモーメントに対する抵抗を大きくすることを狙い、折板構造とされる凸あるいは凹のリブの形成を行うこととした。2007年には特許出願に至り、現在では特許登録がなされている。2008年に向けて更なる鋼板価格の急上昇(リーマンショック直前までには約50%アップ)が起きたため、空調ダクト業界では先駆けて薄板化による省資源化を加速させることができた。独自技術によるラインエコ成型機の特許も取得した。

環境負荷低減効果

通常製品に対するラインエコのCO2削減効果は下表のとおりである。(CO2排出係数の2.0を基に亜鉛めっき鋼板の厚さ別のCO2排出量を算出して、板厚別のCO2排出量をベースにしている。)

ラインエコによるCO2排出削減効果
ダクト長辺寸法(mm)国土交通省仕様ラインエコ排出削減
板厚(mm)CO2排出量(kg)板厚(mm)CO2排出量(kg)
~450 0.5 8.3 0.5 8.3 0%
~750 0.6 10.0 0.5 8.3 ▲17%
~1500 0.8 13.2 0.6 10.0 ▲24%
~2200 1.0 16.3 0.6 10.0 ▲39%
~2300 1.2 19.6 0.6 10.0 ▲49%

2008年のラインエコの発売以降、現在までのCO2排出削減効果は、自社分で382t、ラインエコ成型機の27社への納入先での推定値の5,400tを合わせ、累計で5,782tとなっている。
その他の環境負荷低減効果としては、軽量化による省資源のみではなく、運搬時の省エネルギーや、施工現場での設置時に人手による重量運搬の負荷が軽減され省力化も図れている。