日本特殊陶業株式会社

2017年7月24日

セラミックセンサ技術の開発と革新による世界の自動車の大幅なCO2削減

連絡先

日本特殊陶業株式会社 http://www.ngkntk.co.jp/
名古屋市瑞穂区高辻町14-18 052-872-5915

受賞のポイント

高度な技術により、自動車排出ガスの温度や酸素濃度など様々な状況を把握する各種セラミックセンサを開発・普及し、世界の自動車の燃費向上及び排出ガスのクリーン化を実現したことは、環境負荷の低減に大きく貢献するものと高く評価された。

概要

環境負荷低減に貢献するセンサ

自動車の排出ガスに対する規制は各国・各地域で導入され、環境意識はなお一層高まりつつある。
自動車燃費向上のためには、温度、排出ガス中の酸素濃度、振動など、自動車の様々な状況を把握し、フィードバック制御することが必要である。そこで、耐熱性などセラミックスの特性を生かした各種センサ(①温度センサ、②ジルコニア酸素センサ、③ノックセンサ、④全領域空燃比センサ、⑤NOXセンサ)を開発した。
特に、酸素センサは、自動車内燃機関の効率化が最大となる排出ガスの完全燃焼を制御するための基盤となっている。
これらのセンサは、燃費向上、燃費向上に伴うCO2削減効果、排出ガスのクリーン化に貢献している。

先駆性・独創性

①温度センサ

セラミックを用いたサーミスタ素子による-40~900℃の広範囲温度計測

②ジルコニア酸素センサ

ジルコニアセラミックスによる、排出ガス中酸素濃度の理論空燃比*からの過不足計測
※空燃比 : 内燃機関中の空気(酸素)と燃料の混合率 / 理論空燃比 : 排出ガスが完全燃焼する(最もクリーンになる)時の空燃比

③ノックセンサ

圧電セラミックによる異常燃焼検出

④全領域空燃比センサ(酸素センサ)

従来型の酸素センサでは燃料が多いまたは少ないかのどちらかしか判断できなかったことを改善。厳しい排出ガス規制に対応するため、燃料が理論空燃比に対してどれくらい多いか少ないかを定量的に測定することができ、より精密で広い領域でのフィードバック制御を可能にした。

⑤NOXセンサ

2001年に世界で初めて自動車に搭載され、現在においても、全世界において2社しか製造・販売していないセンサで、ppmオーダーのガス濃度を高精度に検出するとともに、他のセンサで培った高信頼性、高耐久性をも兼ね備えたセンサである。

④、⑤のセンサには、セラミックメーカーの当社ならではの技術として、(1)セラミックヒータと検出素子を一体化する上で「業界最小サイズでのセラミック多層成形技術」、(2)エンジン始動時に発生する凝縮水への耐久性を著しく向上させた素子表面への多層(2層)保護コート技術が適用されている。
多層保護コート概念図

環境負荷低減効果

各種センサの開発前と比較して、CO2を大幅に削減できた。センサによるCO2削減効果を厳密に調べることは難しいが、全領域空燃比センサの出現により、酸素センサが開発された1982年頃と比較すると、小型乗用車(1500ccクラス)1台の燃費は12km/L→21km/L(10・15モード)と約70%向上したと言われている。年間1万kmを走る車で換算すると、年間約350L/台のガソリンの節約につながった。
これは、1LあたりのCO2排出量を2.32kg/Lとすると、812kg/台のCO2削減となる。