愛知工業大学

2017年7月24日

再生可能エネルギーによる発電システムの利活用を考慮したグリーングリッドシステムの構築

連絡先

愛知工業大学 https://www.ait.ac.jp/facility/research/new-energy/
豊田市八草町八千草1247 0565-48-8121

受賞のポイント

再生可能エネルギーを用いた電力システムに、直流交流給配電技術などを導入したグリーングリッドシステムを構築し、これを普及したことは、再生可能エネルギーの利用拡大と省エネルギーに大きく貢献するものと高く評価された。

概要

グリーングリッドシステムの概念
グリーングリッドシステムの概念

グリーングリッドシステムのシステム技術は、本学エコ電力研究センターがこれまで開発してきた再生可能エネルギーによる発電システムと蓄電池を用いた給電システムへ、直流給電技術を導入し交直給配電方式にするとともに、人と人のつながりを考慮し、もののインターネット(IoT)を用いた地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)を導入し、給電および配電における省エネルギー性能向上を図っている。さらに、材料技術の面からは、有機ELを用いた照明技術、窒化ガリウム(GaN)を用いた電力半導体素子による変換装置の開発も実施し、システム面だけでなく機器装置単体の省エネルギー化も図るものである。
グリーングリッドシステムの特徴は、これら技術の協調により、システムを導入した地域におけるエネルギー消費の利便性と快適性を追求している点である。特に本システムの基本技術は、平成19年から現在までの約9年間実施しており、その優位性が評価され実稼働している。
 また、本システムの中心技術は企業との共同開発により商品化され、全国約80か所の民間、公共、大学施設等に普及している。

先駆性・独創性

実証試験システム外観
実証試験システム外観

本システムの代表的な先駆性および独創性を以下に示す。

  1. 再生可能エネルギーによる発電装置が導入された小規模系統において、系統連系―自立運転―系統連系運転と無瞬断で実施できるシステムは、報告が少ない。また、全電源喪失からの起動(ブラックアウトスタート)するようなシステムは、数が少ないものと思われる。このような観点から本給電システムは貴重なシステムである。
  2. 本システムでは省エネルギー性を高めるために、交流給電システムのほかに直流給電システムも導入し、交流/直流ハイブリッド給電を実現している。この交流/直流ハイブリッド給電が実施できているのは、国内外において本システムだけだと思われる。この実現には、交流給電/直流給電の保護装置の協調問題、電磁両立性(EMC)などの問題があるが、本システムは解決できているものである。特に直流給電のみについて注目すると、照明、デジタルテレビ、空調機器、冷蔵庫などが動作している実証サイトは、国内においても数か所である。さらに本システムでは、エネルギーマネジメントに人と人のつながりを考慮し、もののインターネット(IoT)を用いており、先端のグリーングリッドであると言える。

環境負荷低減効果

従来型の再生可能エネルギーによる発電システムと蓄電装置においては、再生可能エネルギー導入量でしか環境負荷低減がなされていなかった。しかし、直流給電を導入することにより、機器単体での消費電力量は数%の改善がみられた。具体的にはLED照明については、直流給電の実施により、約5%の改善効果が見られた。また空調機器においては、太陽光発電装置と蓄電池を導入したシステムでは、約10%程度のシステム効率の改善がみられている。現状では、まだ実証実験段階であるが、今後は環境負荷低減効果をさらに向上させ、システム全体で約20%を目指している。