愛知県立南陽高等学校

2017年7月24日

生徒主体によるカーボン・オフセットを活用した地域や生徒の環境意識改善の取組

連絡先

愛知県立南陽高等学校 http://www.nanyo-h.aichi-c.ed.jp/
名古屋市港区大西2-99 052-301-1973

受賞のポイント

生徒が主体となり、カーボンクレジットを活用した商品開発や学校内外のイベント開催を通じてカーボンオフセットの取組を進めたことは、生徒や地域の環境意識を高める先駆的な環境活動モデルとして今後の波及効果が期待されるものと評価された。

概要

Nanyo Company部
Nanyo Company 部

南陽高校のNanyo Company部は、これまでに国際的な支援と地域貢献を目的として、フェアトレード商品と地産の食材等を活用した商品開発を行ってきた。より視野を広げるために、カーボン・オフセット制度を活用した商品開発を実施することにし、その取組が評価され、カーボン・オフセット大賞優秀賞など様々な団体から表彰を受けている。
また、教育教材としての広がりも見せており、愛知県商業教育研究会が発行する教科商業の科目「商品開発」のプリント、愛知県総合教育センターのホームページ掲載の教科家庭科の科目「家庭基礎」の教材の中で、カーボン・オフセットの題材が使われるようになった。
※カーボン・オフセット制度…温室効果ガスの排出量を、自らの排出削減努力と同時に他の場所での排出削減、吸収量でオフセット(埋め合わせ)すること。

先駆性・独創性

カーボン・オフセットの取組は2008年よりスタートした環境省の制度で、Nanyo Company部はこの制度を活用し、これまでにフェアトレード商品と地産のお米を使用した、生徒考案のお弁当「おもちゃばこカレー」の製造において発生する二酸化炭素排出量1kgを、岐阜県産J-クレジットを使用してカーボン・オフセットし「カーボン・オフセット弁当」として提案、発表を行った。愛知県と岐阜県は木曽川で繋がっており、岐阜県産のクレジットを購入することで、岐阜県内の森林が整備され、木曽川の水源も豊かになり、宮田用水を経て、地元名古屋市港区まで流れてくる。この用水で作られた地元食材を活用した取組やお弁当の販売をNanyo Company部が行い、カーボン・オフセットすることで、一つの循環型サイクルを構築している。校内においては、文化祭、体育祭等の学校行事において、生徒発案によりカーボン・オフセットの仕組みを活用した。全生徒が着用するクラスT シャツの製造、販売の過程で発生する二酸化炭素排出量を計算し、カーボン・オフセットにつなげ、宮城県のクレジットを購入することで環境だけでなく被災地の支援にも役立てている。
こうした高校生が主体で行う日本初のカーボン・オフセットの取組が認められ、「環境省発行カーボン・オフセット活用ガイドブック2015」にも掲載された。

おもちゃばこカレー
「おもちゃばこカレー」
~カーボン・オフセット弁当の仕組み~

学校行事(体育祭)のカーボン・オフセット
学校行事(体育祭)のカーボン・オフセット

啓発効果

地域環境意識改善へ向けた取組
地域環境意識改善へ向けた取組(イメージ図)

私たちの調査結果によると、温室効果ガス排出量やカーボン・オフセット制度を知ることによって、約40%の人が環境問題に積極的に動くべきだと意識が変わったと答えている。(名古屋市はこの割合を2018年までに55%にする目標を掲げている。)学校パンフレットの配布や様々なイベントでの商品販売、発表等を通してカーボン・オフセットや年間の二酸化炭素排出量の周知を図り、マングローブ植林の苗木の寄付や、名古屋市の街路樹保全への寄付を通して緑化活動に積極的に参加することができた。私たちはこの環境意識の向上および改善に微力ではあるが貢献できたと言える。また、授業を受けた生徒の感想からはカーボン・オフセットは難しいという意見もあるが、温室効果ガスについてイメージすることができ、カーボン・オフセット制度に対して非常に好意的で、この学習を通して生徒の環境に対する意識が向上したことが分かる。また、環境食絵日記やカーボン・オフセットTシャツの取組を行った生徒についても環境問題に興味関心を持ったという回答が大幅に増加している。このカーボン・オフセットは、他の教材に比べて環境負荷を数字でイメージができることから、非常に効果が高いと考える。