アツタ起業株式会社

2018年7月25日

高精度ダイカスト技術開発で、後工程の減少と薄肉軽量化による大幅な環境負荷低減の達成

連絡先

アツタ起業株式会社 http://atsuta-kigyo.com/
愛知郡東郷町春木小坂52番地
0561-38-4883

受賞のポイント

アルミダイカスト製造において、高精度で切削等の加工が不要なオンリーワンの製造技術を開発し、廃棄物を発生させない製造工程を構築したことは、環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献するものと評価された。

概要

アルミダイガスト製品

アツタ起業株式会社は、長年にわたりアルミダイカスト製品の製造に携わる中で、後加工(穴あけ・研削等の機械加工)が不要となる薄肉高精度アルミダイカスト技術「HAD」(HighAccurate Die Casting)を開発した。従来のダイカスト品は、成形後に人手をかけて穴あけ加工・平面加工を行い、これを組み合わせて製品としていたが、開発した「HAD」は成形品の寸法精度が極めて高く、成形後に後加工を行うことなく組み立てができ、製造プロセス・コストの削減、廃棄物処理費が削減された。

先駆性・独創性

ダイガスト製品の製造工程

「HAD」の最大の特徴は、型に注入されたアルミニウム合金が、「収縮(固化)が始まる前に型から抜いてしまう」ということにある。この発想は、開発当時のダイカストの常識にはなかったことであり、「HAD」は当社のオンリーワン技術となった。この技術は、次のような特長・効果を有する。

  • 加工レス化
    従来法で後加工時に発生していた切削や穴あけ加工時の削りくず等の発生がなくなり、また作業量が低減したことにより、電力、原料等で環境負荷が低減した。
    後加工が不要となることから、切削で現れる巣の発生がなくなり、また、生産のリードタイムが短縮された。
  • 抜き勾配ゼロ
    収縮が始まる前に型から抜くことで、抜き勾配をゼロにすることができ、これまでにない製品設計が可能になった。
  • 高精度
    寸法誤差が少なくなり、後加工なしで分割部品の一体化が容易になった。
  • トータルコスト低減
    この技術によるトータルコストの低減により、国内生産を続けることができた。

環境負荷低減効果

  • アルミ合金の削りくず等の減少によるCO2削減
    「HAD」法によって、後加工不要となるため切削が発生しないことから、年間約10tのアルミ合金の削りくずが削減され、炉内で溶融するための電力量が減少する。それによるCO2削減量は2.3tCO2/年である。原料のボーキサイトからでは23tCO2/年の削減になる。
  • 作業量の低減によるCO2削減
    穴あけ加工、表面研削等の加工エネルギーを削減し、12t CO2/年の削減となる。