守山リス研究会

2018年7月25日

名古屋市の野生ニホンリス等野生哺乳類の調査・保全活動を通じた環境教育の実施

連絡先

守山リス研究会 http://risuken.sakura.ne.jp
名古屋市守山区小幡北1228
052-795-2616
risuken@kzc.biglobe.ne.jp

受賞のポイント

ニホンリスを始めとした様々な野生動物の保全のため、長年にわたり専門的な調査と植樹活動を実施するとともに、調査活動と一体となった環境教育に取り組んだことは、生物多様性の保全と環境意識の向上に大きく貢献するものと評価された。

概要

東谷山に生息するニホンリス
東谷山に生息するニホンリス

発足

守山リス研究会は、「野生動物がいてこそ、生きた森なのではないか」との思いから、1990年にボランティア団体として発足し、名古屋市守山区の東谷山周辺を中心に野生動物の調査を始めた。

調査・保全

名古屋市の東谷山の森に、野生のニホンリスやムササビなど10種類以上の哺乳類が生息していることが確認され、それらが自活して持続的に生息できるように、専門家(京都大学霊長類研究所、名古屋大学、名城大学、東山動植物園等)と連携し、「檻のない森で、不足するエサのみ給餌する」という「域内繁殖法」による給餌・植樹活動を行いながら、モニタリング調査、生息地調査、保全を実施した。

ESD

調査・保全活動の中で得られた情報やプログラムを基に、親子・一般・学生の参加者を対象にフィールドで学ぶ環境教育や長短期インターン受入れ、卒論活動支援、総合学習・トワイライトスクール支援を実施している。

先駆性・独創性

守山リス研究会の3本柱

調査研究

  • 専門的知見に基づく活動
    ボランティア団体が、専門的な知見とフィールドへの頻繁なアクセス、長期のモニタリング調査により、リス、ムササビ等の野生哺乳動物の調査保全を実施している例は他になく世界初の取組である。

環境保全

  • 域内繁殖法による生物多様性保全
    多額の費用を必要としない「域内繁殖法」を採用し、リスやムササビが27年以上生存しており、これは2018年現在において、日本で唯一の場となっている。
  • 他団体との連携による「緑の回廊」形成
    名古屋市、瀬戸市に跨る東谷山では、他所から生物を導入するのではなく、そこに残っていた個体群の保全拡大を行い、周辺の個体群も行き来できるように企業と連携して500haにもなる「緑の回廊」を形成し、保全に努めている。

環境教育

  • 環境教育の新しい方法
    従来のような樹木や動物の名前を覚えたり、特徴を記憶するという「教えて・覚える」観察会の形態を採らず、一緒に調査活動を実施しながら学ぶ「体験学習」や観察力を磨く「発見学習」、「課題解決学習」、そしてこれらの学習活動参加後に提出してもらう感想文作成指導という「表現学習」にて環境教育を実施してきた。自然の持つ知恵や力に驚き、センス・オブ・ワンダーの体感をしてもらうという「体験」・「発見」・「課題解決」、そして「表現」、以上の学習による環境教育は、これまでにない新しい取組である。

啓発効果

捕獲したニホンリスの計測
捕獲したニホンリスの計測

NPOとして「域内繁殖法」と継続的な調査・保全活動をする中で、それと一体化した捕獲・生態調査・植樹・計測器での測定等の体験講座を実施し、これまでに1万人以上が参加している。これまでの経験を生かし、調査と体験を結び付けたプログラムを、なごや環境大学、東海シニア大学、愛知サマーセミナーなどの講座にて10年以上続け、小学校の総合学習・トワイライトスクールへも展開している。身近な自然を次世代に引き継ぐために、野生ニホンリスを守るだけでなく、生物多様性の保全を目指し環境保護の啓発に力を注いでいる。