愛知製鋼株式会社

2020年8月3日

製鋼スラグを独自技術で改質した低粉じん・繰り返し使用可能なショットブラスト材(研削材)

連絡先

愛知製鋼株式会社 https://www.aichi-steel.co.jp
東海市荒尾町ワノ割1番地
052-603-9257

受賞のポイント

用途が限られていた製鋼スラグを独自の技術で改質・成形することで、発生する粉じん量が少なく繰り返し使用可能なショットブラスト材を開発したことは、環境負荷の低減と資源循環型社会の形成に大きく貢献するものと高く評価された。

概要

  • 鉄鋼会社において、溶解、精錬を行う際に発生する製鋼スラグ※1は、発生量が多い上に使用できる用途が限られているため、ゼロエミッションを進める上で大きな課題となっている。
  • 一方、橋梁等の塗装構造物の再塗装時に古い塗料を除去する際、ショットブラスト※2工法が多く採用され、その研削材は「グリッド」と呼ばれる角張った形状が一般的であり、研削時に粉砕され、塗料片とともに粉じんとなるため、作業環境は劣悪となる。
  • そこで愛知製鋼株式会社は、製鋼スラグを独自技術で改質した低粉じん・繰り返し使用可能なショットブラスト材(研削材)「ASショット®」を開発した。このショットブラスト材は、「ゼロエミッションの達成」「鉄鋼副産物の高付加価値化」に加え、「作業環境・自然環境の改善」についても効果を発揮する。

※1.スラグ…鋼を製錬するときに発生する酸化物の混合体

※2.ショットブラスト…投射材(粒体)を加工物に衝突させ、研削等の加工を行うこと

ショットブラスト材「ASショット®」外観

先駆性・独創性

  • 鉄鋼副産物である製鋼スラグを原料として、独自の①スラグ改質技術、②アトマイズ※3技術により現在使用されている天然鉱産物(ガーネット)系研削材等と比較して、物性(硬度、強度)に優れた研削材を開発した。
  • 発生スラグを溶解状態でアトマイズ処理することにより、スラグの熱エネルギーを利用でき、再加熱のエネルギーを必要としない。

※3.アトマイズ…熱い溶融物質(スラグ等)を連続落下させ、ガスや水を直接噴射・急冷凝固させ粒状・粉体化する方法

ショットブラスト材(研削材)ASショット®

主要技術の内容

①スラグ改質技術…成分調整、改質により高強度化
②アトマイズ技術…冷却速度、スラグ流量をコントロールすることにより、形状、ミクロ組織を制御

環境負荷低減効果

  • 製鋼スラグの有効(高付加価値)利用:社内廃棄物の削減
  • 廃自動車リサイクル率向上に貢献:スラグの改質材に自動車廃ガラスを利用
  • 現在使用されている天然鉱産物(ガーネット)系研削材等に対する優位性
    • 低粉じん:従来の粉じん発生量の約1/4→粉じん廃棄物削減
    • 高強度:産業廃棄物処理量大幅削減(高い研削能力、繰り返し使用により70%削減)
    • ガーネットの代替となることにより、天然資源の枯渇防止

施工時の粉じん発生量