愛知県では、環境の保全に取り組んだ企業に対して愛知環境賞という表彰を毎年行っています。
産業の発展を牽引する愛知県では、省エネルギーや環境負荷軽減の分野においても先進的な立場を維持したいと考え、愛知環境賞の取り組みを始めました。
愛知環境賞では、産廃業者やリサイクル業者など幅広い業種の企業が表彰される中、光回線などのインターネット回線を提供する会社が表彰されるケースも多いです。
今回は、2021年の愛知環境賞において銀賞を受賞した加山興業株式会社についての紹介をします。
同社がどのような企業であるか紹介するとともに、愛知環境賞で高く評価されたポイントについても解説します。
この記事でわかること
- 2021年の愛知環境賞で銀賞を受賞したのは加山興業株式会社
- 産業廃棄物の処理を行う専門業者で産廃事業から環境保全への貢献を目指す
- 愛知環境賞で高評価を得たのは同社の環境に配慮した経営モデル
- 環境負荷軽減の効果も利用されており評価のポイントとなる
加山興業株式会社の事業内容や環境保全に向けた取り組みの紹介を通して、同社の魅力についてぜひ理解を深めてみてください。
2021年の愛知環境賞銀賞受賞の企業は加山興業株式会社
2021年の愛知環境賞において銀賞を受賞したのは、加山興業株式会社でした。
同社は、産業廃棄物処理を専門に取り扱っている業者です。
産業廃棄物処理は、環境に与える影響が大きい分野と考えられています。
廃棄の処理方法によっては、温室効果ガスを大量に発生させてしまい、更なる地球温暖化の要因になってしまいます。
加山興業株式会社は、産廃処理が環境保全につながると考え、環境にやさしい事業展開を常に心がけている企業です。
加山興業株式会社の説明をするにあたり、以下の5点を中心に紹介します。
- 1961年設立の伝統ある産業廃棄物専門業者
- 廃棄物処理から環境保全を目指す
- 多岐にわたる廃棄物に対応し幅広いニーズに応える
- 千両リサイクルプラントにおける環境負荷の少ない廃棄処理の実践
- SDGsへの取り組みにも積極的
産業廃棄物専門業者として歴史ある同社の取り組みを、ぜひ理解してみてください。
1961年設立の伝統ある産業廃棄物専門業者
加山興業株式会社は、1961年に設立しており、産業廃棄物専門業者として長い伝統を持つ企業です。
愛知環境賞を受賞した2021年は同社設立60周年を迎える年で、節目のタイミングで栄誉ある賞を受賞しました。
産業廃棄物処理は、時代の変遷に伴い概念が変化していく分野でもあります。
以前は埋め立てや焼却が一般的な廃棄物処分方法でしたが、近年はリユースやリサイクルが前提となり、資源の循環を考慮する視点を持った取り組みが主流です。
加山興業株式会社は、社会全体からのニーズに応え、時代の変遷に合わせて適切な産廃事業を展開してきました。
今後も、地球にやさしい廃棄処理の手法を提供し、環境保全に貢献する姿勢を継続していくでしょう。
廃棄物処理から環境保全を目指す
加山興業株式会社は、産業廃棄物処理を通して環境保全への貢献を目指す企業です。
地球環境を優先的に考え、負荷を最小限に抑えられる産廃処理を実践しています。
処分する廃棄物の種類ごとに、最も環境負荷を抑えられる方法を採用し、細分化して適切に処理を行います。
可能な限りリサイクルを行い、資源の再利用を追及した作業を行うのも特徴です。
最終目標としてリサイクル率100%を目指しており、廃棄物を最大限リユース素材として活用する姿勢を持っています。
産業廃棄物処理と聞くと、不用品の処分というイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、加山興業株式会社は不用品の中にも再利用できる資源が豊富に含まれていると考え、できる限りのリサイクル実践を目指します。
今後も長年培ってきた技術とノウハウを活かし、リサイクル率100%を目指して新しい技術提供を目指していくと考えられます。
多岐にわたる廃棄物に対応し幅広いニーズに応える
加山興業株式会社が取り扱っている廃棄物の種類は多岐にわたっており、不用品廃棄に関する幅広いニーズに応えています。
工場や建設現場などから発生する廃プラスチックや、オフィスおよび店舗などで発生する事業系一般廃棄物など、廃棄物の量に関わりなく幅広い種類に対応しているのが特徴です。
顧客からの依頼を受けて都度廃棄物回収の対応をするだけでなく、定期的な回収業務にも対応しています。
一般家庭のごみ処分にも対応しており、遺品整理など住まいのごみをまとめて処分するサービスもあります。
許認可が必要な期限切れ消火器の引き取りにも対応できるなど、加山興業株式会社は多岐にわたる廃棄物関連事業を担う業者です。
千両リサイクルプラントにおける環境負荷の少ない廃棄処理の実践
加山興業株式会社が運営する千両リサイクルプラントでは、環境負荷の少ない廃棄処理が行われています。
施設内には、多岐にわたる廃棄物処理に対応するため、以下のような幅広い廃棄施設を保有しています。
- 大型ガス化焼却炉
- 木材専用破砕ライン
- 光学選別機ライン
- 蛍光管再生ライン
- 固形燃料RPF製造ライン
- 太陽光パネル廃棄物ライン
さまざまな廃棄物を施設内で一貫して処分できるのが、千両リサイクルプラントの強みです。
さらに廃棄処理施設だけでなく、風力発電や太陽光発電などの自然由来の発電設備が備わっており、自社電力を100%まかなっています。
リサイクル資源を活用し、施設内で農場経営やミツバチの飼育によるハチミツの採取も行っているのも特徴です。
千両リサイクルプラントでは、本業である廃棄処理に加え、環境負荷を軽減できる仕組みが数多く取り入れられています。
SDGsへの取り組みにも積極的
加山興業株式会社では、SDGsへの取り組みも積極的に行っています。
持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指すSDGsの考え方は、世界規模で取り組んでいる社会的要請であるため、同社でも取り組むべき重要課題として捉えています。
SDGsの実現に向けて、加山興業株式会社では社員全体で統一感を持って取り組めるよう話し合いを重ね、経営に組み込んできました。
たとえば、リサイクル率を向上させるために最新設備の導入を積極的に実施しています。
小ロットや多品種の廃棄物であったとしても、きめ細かい対応により可能な限りリサイクルを行い再資源化に取り組みます。
加山興業株式会社のSDGsへの取り組みは、愛知環境賞受賞において高く評価されるポイントの1つとなりました。
愛知環境賞で高評価を受けたサスティナブル環境経営モデル
加山興業株式会社が2021年の愛知環境賞で高評価を得たポイントの1つとして、サスティナブル環境経営モデルが挙げられます。
サスティナブル環境経営モデルとは、加山興業株式会社が経営方針として掲げる基本理念のことで、主要事業である廃棄業だけでなくさまざまな視点における統合的な目標達成を目指しています。
加山興業株式会社のサスティナブル環境経営モデルは、以下の4つの視点を統合的に捉え目標達成を目指している基本理念です。
- 資源循環を通じて循環型社会を目指す
- 温室効果ガスの大幅削減により低炭素社会を目指す
- 自然からの恵みを享受し自然共生社会を目指す
- 地域住民とのふれ合いを通して地域共生社会を目指す
各分野における目標達成が統合的に進められ、会社全体の実績として高く評価されました。
資源循環を通じて循環型社会を目指す
循環型社会を目指す分野においては、3Rを通じた資源循環を主体的に実施しています。
3RとはReduce(リデュース)、Reuse(リユース)およびRecycle(リサイクル)の3つのRのことです。
毎年リサイクル率80%を維持しており、最終的に廃棄処分をする物量を最小限にとどめています。
特に、木材専用ラインにおいてはリサイクル率が100%、蛍光管再生プラントではリサイクル率99.9%と非常に高い数値を実現しています。
幅広い種類の廃棄物に対応し、小ロットの物量でもきめ細かい処理を実施している点が、会社全体の高いリサイクル率につながっているのでしょう。
最新設備の導入にも積極的で、今後ますます高いリサイクル率を目指し循環型社会に貢献していくと考えられます。
温室効果ガスの大幅削減により低炭素社会を目指す
加山興業株式会社は、温室効果ガスの大幅削減により低炭素社会を率先して目指している企業です。
事業活動で使用する電力の確保を、再生可能エネルギー由来のものに切り替えて、環境負荷を最小限に抑える取り組みを行なっています。
前述のとおり、同社の千両リサイクルプラントでは太陽光発電システムと風力発電システムを採用し、自前で獲得した電力を自社の事業活動に活用しています。
再生可能エネルギー由来の自社発電電力のみで、自社の事業用電力を100%まかなえる実績を上げました。
会社全体でみても、再生可能エネルギー由来の電力使用率がおよそ80%を達成しています。
加山興業株式会社の再生可能エネルギー由来の電力利用の徹底は、低炭素社会を目指すうえで参考になる形といえるでしょう。
自然からの恵みを享受し自然共生社会を目指す
加山興業株式会社は、廃棄事業以外にもさまざまな分野で取り組みを行っています。
自然共生社会を目指す中で、自然からの恵みを受け取り将来につなげていく活動を行っています。
たとえば、ハチミツ採集イベントがその1つです。
千両リサイクルプラント内にはハチミツ採集場が設置されており、地域住民に対して定期的に採集参加イベントを開催しています。
食の大切さや安全性、および生態系と環境との関係性などを考える機会として注目されています。
愛知環境賞においても、自然共生社会を目指す取り組みが高く評価されました。
会社内だけでなく地域社会においても、環境問題を考えるきっかけを提供する取り組みとして意義のある活動といえるでしょう。
地域住民とのふれ合いを通して地域共生社会を目指す
加山興業株式会社は、地域共生社会を目指している側面においても高く評価されました。
地域住民に必要とされる企業を目指し、地域との関わりを積極的に作る取り組みを行っています。
たとえば、地域の子どもを集めて工場見学や環境教育を実施し、ごみの分別とリサイクルの重要性を伝える取り組みを行ってきました。
地元の自治体と一体となって、近隣の掃除を行ない地域の美化活動に取り組んだ実績もあります。
災害など緊急時には、自社設備を避難場所として開放する用意もあります。
非常食や非常用トイレなどの救援物資の提供をする準備もしており、地域への貢献心が高いのも特徴です。
環境負荷低減効果の面に取り組んだ実績も高い評価を獲得した
加山興業株式会社が愛知環境賞を受賞した要因の1つに、環境負荷低減効果における実績が高く評価された点もあります。
加山興業株式会社は廃棄物専門業者として、廃棄事業における温室効果ガスの低減に貢献しています。
加えて、再生可能エネルギーの利用を率先して実施するなど、環境への負担を最小限に抑える取り組みにも注目が集まりました。
加山興業株式会社の環境負荷低減への取り組みとして、主な要素を以下に2点紹介します。
- 処分量の最小化と石炭の代替品の供給
- 再生可能エネルギー利用率100%を目指す
今後の環境保全の取り組みにおいても活用できる内容ですので、ぜひ参考にしてください。
処分量の最小化と石炭の代替品の供給
加山興業株式会社は、廃棄事業において処分量を最小に抑えながら、石炭に変わる固形燃料をリサイクル技術を用いて提供しています。
加山興業株式会社では、さまざまなジャンルの廃棄物に対応できる設備を持っているため、可能な限りリサイクルを行って廃棄処分量の最小化が可能です。
さらに、廃プラスチックをリサイクルによってRPF原料に再利用し、環境にやさしい固形燃料として提供しています。
廃棄量の最小化と、環境にやさしい燃料の提供により、環境負荷低減における貢献度の高さが評価されました。
再生可能エネルギー利用率100%を目指す
加山興業株式会社は、将来的に再生可能エネルギー利用率を100%にする目標を持っています。
前述のように、同社の千両リサイクルプラント単独ではすでに再生可能エネルギー利用率100%を実現しました。
さらに、企業全体の稼働力を再生可能エネルギーから調達する取り組みが継続して行われています。
カーボンニュートラルを目指す動きが社会全体の要請となっている中で、加山興業株式会社の再生可能エネルギーに関する取り組みは高く評価されました。
廃棄物処理から環境保全を目指す加山興業株式会社の取り組みを知ろう
2021年の愛知環境賞で銀賞を受賞したのは、加山興業株式会社でした。
同社は、廃棄事業を中心に行う専門業者で、環境保全への志向が非常に高い企業です。
愛知環境賞において特に注目されたのは、同社のサスティナブル環境経営モデルでした。
- 循環型社会
- 低炭素社会
- 自然共生社会
- 地域共生社会
以上4つの視点で高い目標を掲げ、さまざまな取り組みを行ってきた点が高く評価されました。
環境負荷低減効果においても高評価を得た加山興業株式会社の取り組みは、他社においても模範的な内容として推奨されています。
加山興業株式会社は、今後も現状に満足せずさらに環境保全への貢献を目指した事業を展開していくと考えられます。
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